起業家のための金融リテラシー(4)

今日はすごく寒くて都心では初雪を記録したそう。

インフルエンザなどかからないように気をつけていこう。


さて、久々に起業家のための金融リテラシーのテーマで。

今回はメインバンク制についてその概略をみていきたい。


国の内外から色々と批判も大きな日本のメインバンク制ではあるが、これまでの日本経済の歩みや企業のニーズに伴って発展したきたものであるという側面も持っていることは間違いない。

特に創業間もないベンチャー企業にとっては、まだあまり気にする必要もないことかも知れないが、晴れて上場した暁には、それまで付き合ってきた金融機関を自社なりのベストのかたち再編成して、ここをメインバンクとして云々など、考えておくのも良いだろう。

さて、メインバンクとは、ご存知のとおり、特に親密な取引を行い、借入金の額(比率)、あるいは借入残高が最も多い銀行のことである。主力取引銀行ということになる。

メインバンクとはいっても、もちろんそれについての契約関係がある訳ではない。あくまでインフォーマルにお互いがそうであると認識している、ということである。
他の取引銀行との取引状態からみれば、この銀行がこの会社のメインバンクであるということが一目瞭然の場合も多い。

では、メインバンクの主な特徴をみていくことにするが、大体以下の5点になるだろう。

・当該企業への貸出残高が最も多い。
・当該企業への株式を保有している。(あるいは、株式の持ち合いを行っている)
・当該企業へ役員を派遣している(特に財務系の役員)
・当該企業の預金や給与振込など各種のトランザクション(業務取引)を請け負っている。
・古くからの取引関係にある。

このように、基本は当然ビジネスであるにしても、かなり一心同体的な関係にあると言っても良いだろう。

逆に言えば、ここまでの関係を築くからこそ、緊急時の追加融資や人材の派遣や取引先の紹介など多くのメリットを企業は享受できるとも言える。
なぜならば、長い付き合いのなかで、メインバンクはその企業の数字には表れない力や信用・ブランドといったものを知り、(広義の)可能性を理解しているから。
こうして企業はメインバンクとの間で長期的で深い関係を持つことによって、資金調達の安定化を図っている。

結果として、この企業には〇〇銀行がメインバンクについている、といった信用をその企業は得ることもできる。特に銀行借入に代表される間接金融が資金調達の中心になっている日本の中小企業では、これは極めて大きな大きなメリット!

もちろん、メインバンクの方にも、融資による金利収入の他にも、様々なサポートを行うことで収益の機会にもなる。


さて、特に上場企業などでは、普通はメインバンク以外にも数行の取引銀行は当然ある。その中で2番手、3番手あたりに位置づけられる銀行は準メインバンク、それ以外の取引量も少ない銀行をぶらさがり先と言ったりしている。

準メインやぶらさがり先は、基本メインバンクに追従して取引を行うことが多いのはご存知の通りだし、理由も容易に分かるだろう。当該企業を監視するモニタリングのコストは意外に大きいため、これをメインバンクに委託(依存)している、とうことである。
銀行のマンパワーにも限りがあるし、融資先の企業数も半端なく多いので、とても手が回らないのである。仮に強引に時間を作ったとしても、普段の接触がそもそも薄いので、決算書以外の情報などが殆どない状態になり、これでは正確な審査はとてもムリ。なので、メインバンクに追従した行動を取るという訳である。
メインバンクがOKならば GO、Not OK ならば Not GO だ。

ということで、メインバンク制の概要を述べてきたが、日本独自の風土にも照らせば、意外に合理的?な側面もある。
もちろん、それこそが日本独自の経営風土を作ってきてしまったのだ、という逆のご意見もあるにはあろうが。。

日本のメインバンク制も諸外国から批判されて久しいが、ただ、その仕組みや成り立ちなど、理解すべきところはしっかりと理解をし、その利点は100%以上を大いに享受してやろうという気概を持つことも大事だろう。


次回は、企業が経営危機に陥ってしまった時に、そのメインバンクは一体どういう対応をするのか、そこをみていきたい。


では、また。


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